学習:本多勝一「日本語の作文技術」2
2008.05.19 Mon
5月の学習テーマは文章の書き方とし、テキストはこれ採用する。
普段何気なく書いている文章だが、正確に表現するには状況に応じていくつかの原理原則が存在する。本書はそんな原理原則をとても論理的に、かつ具体例を多く使って説明する。 懇切丁寧に、というか執拗なくらいに。
例えば、文章を書くとき何気なく使うものに「、」(読点)がある。普通は簡単な使い方をするのだが、状況に拠っては複雑な機能を持つ使い方もある。
前回の私の文章を例にとろう。
今回は話がちょっとややこしいので、ガマンして読んでいただきたい。
実はこの文章には「、」の持つ便利な機能が使われている。説明しよう。
文章の骨子は「(私は)(Aを)知らない方には(Aを)知って欲しい。」だ。
(私は)は書かなくてもわかるので省略できる。これは正しい。しかし(Aを)を両方書くと文章としてくどくなるため、普通はどちらかを表現上省略する。
「(Aを)知らない方には知ってほしい。」あるいは、
「知らない方には(Aを)知ってほしい。」のどちらかだろう。
わかりやすい例に変える。
「ブログを知らない方には知ってほしい。」
普通これはブログを知らない方にはブログを知ってほしい、と解釈する。
ではこれはどうか。
「知らない方にはパソコンを知ってほしい。」
これもパソコンを知らない方にはパソコンを知ってほしい、と解釈するだろう。
しかし「ブログを知らない方にはパソコンを知ってほしい。」という主旨の文章も存在する。こうした文章と明確に区別できないといけない。
だから本当に正確に伝えるためには、
「ブログを知らない方にはブログを知ってほしい。」
という書き方をしなければならない。
とするならば、上記の私の文章を正確に表現するとこうなる。
(修正例1)
「かつてこの人物が一部の若者の間でカリスマとして支持された時代があったことを知らない方には、かつてこの人物が一部の若者の間でカリスマとして支持された時代があったことを知ってほしい。」
これはくどすぎる。あまりに芸がない。ならばこうしよう。
(修正例2)
「かつてこの人物が一部の若者の間でカリスマとして支持された時代があったことを知らない方には、そうした時代があったことを知ってほしい。」
これは正確だ。「そうした」に替えたのだ。でも少ししつこい気がする。しかも文章の前半部分がとても長く感じる。
だとすればこの手がある。
(修正例3−実際の使用例)
「かつてこの人物が一部の若者の間でカリスマとして支持された時代があったことを、知らない方には知ってほしい。」
つまり、
「ブログを、知らない方には知ってほしい。」と書けばよい。「、」があることにより、知らない方に、と、知ってほしい、の2つ同時に修飾することができる。
この場合、ブログを、という部分が短いから不自然な雰囲気が漂うが、
「ブログを知らない方にはブログを知ってほしい。」
という解釈が自然に成り立つのがわかると思う。
この、ブログを、の部分が文章として長いとき実に効果的なのだ。「、」のもつ便利な使い方だ。
本書にはこうした表現上の問題が実例とともに懇切丁寧に説明されている。しつこいくらい。詳細は本書をご参照下さい。
次回に続く。
![]() | 日本語の作文技術 (朝日文庫) 本多 勝一 朝日新聞社出版局 1982-01 by G-Tools |
普段何気なく書いている文章だが、正確に表現するには状況に応じていくつかの原理原則が存在する。本書はそんな原理原則をとても論理的に、かつ具体例を多く使って説明する。 懇切丁寧に、というか執拗なくらいに。
例えば、文章を書くとき何気なく使うものに「、」(読点)がある。普通は簡単な使い方をするのだが、状況に拠っては複雑な機能を持つ使い方もある。
前回の私の文章を例にとろう。
今回は話がちょっとややこしいので、ガマンして読んでいただきたい。
かつてこの人物が一部の若者の間でカリスマとして支持された時代があったことを、知らない方には知ってほしい。
実はこの文章には「、」の持つ便利な機能が使われている。説明しよう。
文章の骨子は「(私は)(Aを)知らない方には(Aを)知って欲しい。」だ。
(私は)は書かなくてもわかるので省略できる。これは正しい。しかし(Aを)を両方書くと文章としてくどくなるため、普通はどちらかを表現上省略する。
「(Aを)知らない方には知ってほしい。」あるいは、
「知らない方には(Aを)知ってほしい。」のどちらかだろう。
わかりやすい例に変える。
「ブログを知らない方には知ってほしい。」
普通これはブログを知らない方にはブログを知ってほしい、と解釈する。
ではこれはどうか。
「知らない方にはパソコンを知ってほしい。」
これもパソコンを知らない方にはパソコンを知ってほしい、と解釈するだろう。
しかし「ブログを知らない方にはパソコンを知ってほしい。」という主旨の文章も存在する。こうした文章と明確に区別できないといけない。
だから本当に正確に伝えるためには、
「ブログを知らない方にはブログを知ってほしい。」
という書き方をしなければならない。
とするならば、上記の私の文章を正確に表現するとこうなる。
(修正例1)
「かつてこの人物が一部の若者の間でカリスマとして支持された時代があったことを知らない方には、かつてこの人物が一部の若者の間でカリスマとして支持された時代があったことを知ってほしい。」
これはくどすぎる。あまりに芸がない。ならばこうしよう。
(修正例2)
「かつてこの人物が一部の若者の間でカリスマとして支持された時代があったことを知らない方には、そうした時代があったことを知ってほしい。」
これは正確だ。「そうした」に替えたのだ。でも少ししつこい気がする。しかも文章の前半部分がとても長く感じる。
だとすればこの手がある。
(修正例3−実際の使用例)
「かつてこの人物が一部の若者の間でカリスマとして支持された時代があったことを、知らない方には知ってほしい。」
つまり、
「ブログを、知らない方には知ってほしい。」と書けばよい。「、」があることにより、知らない方に、と、知ってほしい、の2つ同時に修飾することができる。
この場合、ブログを、という部分が短いから不自然な雰囲気が漂うが、
「ブログを知らない方にはブログを知ってほしい。」
という解釈が自然に成り立つのがわかると思う。
この、ブログを、の部分が文章として長いとき実に効果的なのだ。「、」のもつ便利な使い方だ。
本書にはこうした表現上の問題が実例とともに懇切丁寧に説明されている。しつこいくらい。詳細は本書をご参照下さい。
次回に続く。
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